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もう1つのオリンピックの結果を考える

2012.08.12 (Sun)

最後のオリンピックネタです。興味のある方だけどうぞ。

世界中のカメラファンが注目する中、ニコンとキヤノンのもう1つのオリンピック
対決は、「ニコンの歴史的勝利」という結果で幕を下ろしました。
先日行われたニコンの決算発表の席でも、ニコンの副社長から「ロンドンで64の
競技会場の使用状況を実際にカウントした結果、当社が6:4、競技によっては
7:3の使用比率で(ニコンの優勢)である事が判明した」と正式な見解を発表し、
ロンドンでの勝利宣言を行いました。

気になったのは、その後のライバルC社の対応です。
ニコンの決算発表の直後、C社の広報担当から「ロンドンは我社が優勢である」
「ただし、使用比率についてはお答え出来ない」という見解を正式に発表して
ニコンの発表に真っ向から対決する姿勢を見せたそうです。
これは、一部の新聞社でも報道として取り上げられ、ネット上でも大きな話題と
なりました。

何とも後味の悪い対応だと感じたのは、私だけでは無いはずです。
そして同時に私は、アテネオリンピックの対決結果に対するニコンの対応を思い
出さずにはおれませんでした。
アテネで歴史的な敗北を喫した際に、当時のニコンの開発部隊の総責任者であった
ゼネラルマネージャーのG氏が、「今回のアテネではキヤノンさんに完敗した。
我々はこの結果を真摯に受け止めて、次期機種の開発を行う」という趣旨の見解を
公式に発表したそうです。
男としての正しい負け方を知っていると思いました。さすがですね。
そして、北京向けにD3という画期的な新機種を開発し、北京では4:6まで
盛り返し、今回のロンドンではD4で逆転勝利した事は、以前のトピックでも
ご紹介した通りです。

実は今から6年程前に、丸の内で行われたD3の発表会の会場で、私はこのG氏を
お見かけした事があります。会場に詰め掛けた大勢の熱心なニコンファンの様子を
氏は大変満足そうな表情でご覧になられていた事が、印象に残っています。
恐らく氏は、このときすでに将来のニコンの勝利を確信されていたのかもしれません。
既に氏は開発の第一線を退かれていらっしゃいますが、今回の結果を一番喜ばれて
いらっしゃるのではないかと思います。

では今回の両社の対決結果を私なりに考えてみたいと思います。
恐らく今後も両社の業界でのシェアに大きな変動はなく、広告宣伝に長けるC社が
エントリークラスを中心に大きなシェアを維持し続けるでしょう。
しかし、プロやハイエンドの市場では、ニコン優勢の状況は揺るぎ無いものになるのでは
ないかと感じています。20年以上前のニコンF3の時代が、そうであった様にです。

アテネオリンピック前後の一時期、C社が支持された理由は「C社しか選択枝が無かった」
からに他なりません。しかし両社の性能に全く差がなくなった現在、積極的にプロがC社を
選択する理由は無くなりました。
むしろ、馬鹿正直なまでに真面目な企業文化から生み出される、ニコンならではの
高品質と信頼性がプロ達に支持され、今回のロンドンでの勝因につながった事は
ほぼ間違いないでしょう。

勿論C社も今回の結果に甘んじるはずはなく、二年後のソチオリンピックにむけて新機種の
開発を進めて来るはずです。
しかし既にデジタル一眼レフは、究極の姿まで進化してしまった感があります。
つまり、大きな技術的ブレイクスルーが無い限り、今の状況に大きな変化を起こす事は
難しいのではないかと思うのです。

2年後のソチ、そして4年後リオを制するのは果たしてどちらなのか?
両社の対決は、ますます面白くなって来たと言えるのではないでしょうか。


追記:
200m決勝で金メダルを獲得した、ウサイン・ボルトさんがたまたま近くにいた取材中の
スウェーデンのカメラマンWixtröm氏のニコンD4を借りて、歓声に沸きかえるスタジアムを
撮影するという、何とも微笑ましい珍事件もありました 笑。
(スタジアムに映っているカメラマン達も軒並みニコンの使用者)

ニコンの歴史的勝利を象徴するような、新たな伝説のひとコマと言えるのではないでしょうか。

詳細はこちら↓
Peta Pixelさんへのリンク







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もう1つのオリンピック その2

2012.08.04 (Sat)

日本人選手達の活躍が連日報道されていますが、そちらはテレビにお任せして
自分はもう1つのオリンピックの結果が気になるのです。。。笑
(詳しくは前回のトピックをご参照下さい)

あらゆる競技で例外なく黒(ニコン)優勢というのが、今の所ほぼ間違いない
状況のようです。特に体操や水泳、柔道など、照明の条件が悪く一瞬の状況を
確実に捉える必要がある屋内競技ほど、この傾向が強いようですね。

MSN産経ニュースさんの「Sankei Photo」へのリンク

(パノラマフォトにアクセスすると360°でオリンピックスタジアムの様子を
見る事ができます。ちょっと感動の瞬間です)

さてこの結果に、私はニコンの技術者達の意地と情熱みたいな物を強く感じます。
50年以上前にNikon Fを発売して以来、Fマウントレンズを頑なに守り通して
世界最高峰のデジタル一眼D4を作り出した技術者達に、同じ技術者のはしくれ
として尊敬の念を抱かずにはおれません。
技術立国日本の進むべき1つの道を、見事に指し示しているとさえ思います。

家電や自動車、コンピュータ関係など、かつては日本の花形産業だったものが
次々と中国や韓国の企業に抜き去られている現在、プロ向け高級デジタル一眼レフ
の世界だけは、ニコンとキヤノンの2大メーカーがいまだ世界に君臨していることに
誇りみたいなものを感じるのは、私だけではないでしょう。

正にもう1つのオリンピックだと思うわけです。




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